本研究では,ユーザのコンテクスト解析研究の一つである移動軌跡にもとづいた移動手段推定に着目する.移動手段推定を行う従来手法では,移動手段の推定に有効な移動軌跡の特徴量を経験に もとづき人手で設計していた.しかし人手による有効な特徴量設計は時間がかかり,また全てを網羅することは難しい.そこで特徴量を自動で抽出することが出来る表現学習の一つである深層学習に着目する.深層学習は,ニューラルネットワークを多層にすることで,従来よりも表現力を向上させたものであり,本研究では関連手法の一つであるrecursive autoencoderを用いる.本研究では,このrecursive autoencoderに次元圧縮調節と正解ラベル学習の機能を加えたN-transformed supervised recursiveautoencoderを提案する.Microsoft GeoLifeデータセットを用いて本手法の評価実験を行い,従来の手法より高い推定精度を示し,本手法によって有効な特徴量を自動抽出できることを示す.